長尾一哉の情熱熱風ブログ

第4回『企業成長の鍵?思いとスキルのバランス?』

第4回『企業成長の鍵?思いとスキルのバランス?』

2007年07月20日

 

さて、今回は『企業成長の鍵?思いとスキルのバランス?』と題し、

「一対」という考え方についてお話し致します。



皆様にもご紹介している「ビジョン共有」。



この仕事はさまざまな事情を持たれた企業の

経営者様、社員様と「話す」仕事でもあります。

同時に各階層や個々人の「視点」を診る仕事でも

あります。

「どのようなことを問題として捉えているか」

を知ることは、そのお客様の企業としての成熟度を

診ることでもある訳です。

そして、その企業の成熟度は「矛盾の理解」

によって量ることが出来るのです。



皆様の会社では「組織の矛盾」についてどのように

対処していらっしゃいますか?



あるいは「組織の矛盾」について、どのように

捉えるのかを社員の皆様に話されたことが

ありますか?

「組織の矛盾」は絶対にありますよね。



これはあって当たり前、正常なのです。



しかし、「うちの会社は言ってることと

やってることが違うからさ、まあ、これがうちの

文化かな・・・」

なんて「シニカルな笑み」を浮かべながら

ひそひそ声で話すお客様がどれほど多いこと

でしょうか。



「他人事文化」「他責文化」が蔓延し、自ら責任を

とろうとしない風土が出来てしまうと、それを

変えるのは至難の技です。



経営者自身がまず変わらなくてはならないですし、

目線の低さ故に、他者批判を繰り返し問題解決に

全くなっていない社員自身の立ち位置にもメスを

入れる必要があります。



矛盾を当然として受け入れ、組織を運営していく

中で当然発生する事柄を「解決できない矛盾状態

にある」と問題視する、その視点こそが問題

なのだと気付かせること。



そして組織全体にその「視点」を根付かせること。



組織を本気で成長させたいと考えている経営者様

ならば、是非この「Viewpoint Change」

(=価値視点変革)から始めて頂きたいと思います。



ではこの「Viewpoint Change」をどのように

気付かせて行くか、これを『一対』という概念で

解説していくことにしましょう。



光があれば影がある。男がいれば女がいる。

天があれば地がある。というように世の中の

あらゆるものは片方だけでは成立しません。

常に『一対』で成立しています。



この考えのもとに、机が機能するためには

イスが必要ですし、お茶を持ち運ぶためには

ペットボトルが必要です。



「人に優しくしよう」と決めた瞬間に

「人を厳しく洞察する」ことが必要となり、

「一生懸命がんばる」と決めたら

「全くがんばらなくても(短時間で成果が

出せる効率的な方法で)成果を出す」を同時に

決めなくてはなりません。



人に優しくしたり、一生懸命がんばるだけでは、

「本質」に近づくことは難しく、見せ掛けだけの

ものになってしまうことがよくあるのです。



「一対」の概念を活用することで容易に

「本質」を見極めることが出来、具体的な行動を

計画することができるようになります。



しかし、私達は幼い頃から『二者択一』の概念を

刷り込まれているので、「どちらかを選ぶ、

選ばなければならない」ということに習慣

付けられています。



実はこの『二者択一』という概念こそが、常に

『一対』である物事に「敵対する矛盾状態」

という見方を植えつける根源となっている

感があります。

矛盾を作り出し、「本質」を理解することを

妨げているように思います。



『一対』の概念はそういう意味では

「フレームワーク」だとも言えます。



座標のX軸に「社員に優しくする」ととり、

Y軸には「社員に厳しくする」ととります。



ポイントはこのX軸とY軸を結んで出来る点に

0地点から向かう線を引きます。



この線が意味するものは「社員に優しくし、

且つ厳しくする」という視点です。



言い換えると「社員に優しくするだけでは

成長せず、厳しくするだけでも成長しない。

社員の成長には何が必要かを考え抜き、厳しさを

もってそれを要求し優しさをもって励ますことが

最重要である」というのが、この線の意味する

第3の目的で合力と呼んでいます。



この合力を物理用語で調べると「RESULTANT」

(リザルタント)と書いています。

我々はこれを意訳し「結果責任を全うしよう

とするプロ人材」と位置付けています。



さて、X軸に「理想」を置き、Y軸に「現実」

を置いてみましょう。



第3の目的に何が見えてくるでしょうか?

それは、第2回で皆様にお届けした「理想を真剣に

追い求めるからこそ、超現実の厳しい選択を

振れずにおこなう」という理念達成の目的です。



では、X軸に「思い」を置き、Y軸に「スキル」を

置いてみましょう。



これはどうでしょうか?

「顧客と社員一人一人の幸福と思いを尊重する」と

決めたからこそ、「売上・利益を最大限に

発揮出来るスキルを社員に厳しく要求する」ことも

同時におこない、企業の存在意義を全うする目的。

まさに、経営視点とは言えないでしょうか。



皆様の会社がもし矛盾の処理で苦しんでいたり、

視点が上がらず企業と人の成長を阻んで

いるようなら是非この「一対」を活用される

ことをお勧めします。

難しくはないので、使ってみてください。

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