『マグレガーのX理論とY理論で会社の「価値観」を考える』
2007年09月18日
さて、今回の『つまみ食い組織論』講座は、
『マグレガーのX理論とY理論で会社の「価値観」を考える』です。
では、まず理論についてお話ししましょう。X理論・Y理論とは
ダグラス・マグレガーがその著書『企業の人間的側面』で披瀝した組織管理
論で、権限行使と命令統制による管理手法をX理論、統合と自己統制による
運営手法をY理論と名づけました。X理論では、経営者が「人間は本来なま
けたがる生き物で、責任をとりたがらず、放っておくと仕事をしなくなる」
という考え方に基づき組織を運営すると、命令や強制で管理し、目標が達成
できなければ懲罰といった「アメとムチ」による経営手法を執るようになると
説明しました。いわゆる<性悪説>にたった価値観を持った経営者を想定
しています。一方、Y理論は経営者が「人間は本来進んで働きたがる生き物
で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をする」という考え方に
基づき組織を運営すると、労働者の自主性を尊重する経営手法となり、労働
者が(前回取り上げた)マズローの高次元欲求を持っている場合は特に有効
に作用すると主張しました。こちらの経営者は<性善説>にたった価値観を
想定しているわけです。
さて、皆さん。どちらが良い経営手法なのでしょうか?・・・ちょっと考えて
しまいますか?そうですね。どちらも、現実に起きている「事実」だと思います。
一生懸命経営者が社員に「思い」を伝えても、まるでひとごとで、「責任」とは
かけ離れた目線から離れられない社員・幹部社員は確かにいます。X理論を
行使せざるを得ないと考える経営者も多いのではないでしょうか。
次回は、今回の理論を踏まえまして人事制度の運用に悩まれていた企業様の
お話をしたいと思います。