長尾一哉の情熱熱風ブログ

『マズローの欲求階層説』とマネジメント

『マズローの欲求階層説』とマネジメント

2007年09月13日

 

今回から『つまみ食い組織論』講座と題し、人と組織について語られて

来た「理論」や「モデル」について皆様と一緒に考えてみたいと思います。



さて、今回は『マズローの欲求階層説』です。皆様はアブラハム・マズロー

という名前を聞いたことがあるでしょうか?そうです、「欲求段階説」と

言われるモチベーション理論の先駆者、マズローです。マズローは人間行動

を「欲求満足化のプロセス」と捉え、欲求には次の5つがあると考えました。



生理的欲求

人間にとって基本的な欲求であり、生きるために必要な欲求。

具体的には食物、水、空気、休養、運動などに対する欲求



安全・安定性欲求

自分の生命が安全に守られている状況や不確実な状況を回避しようとする欲求



社会的欲求

集団への帰属を望んだり、友情や愛情による一体感を望む欲求



尊厳欲求

自分の存在価値や自己重要感、自尊心などを希求する欲求で、例えば

他者からの尊厳や責任、自立的な行動の機会を希求する欲求



自己実現欲求

自己の成長や発展の機会を求めたり、独自の能力を開発したり、

潜在能力の実現を求める欲求



マズローの欲求階層説の、肝は、「人間の欲求は一足飛びに上位欲求

へは決して向かわない」ということです。つまり、給料や設備への不満、

一体感の感じられない職場、上長の振り回す人事権で自分の身が危

なくなるような環境では、社員は自主・自律的に考え行動しないということ

です。せめて社会的欲求が満足している状況か、あるいは、安全・安定性

欲求に不十分があったとしても、会社の中に「自分が考えていることを

きちんと聞いて受け止めてくれる風土が当社にはある」と社員全員に

信じられている状況がとても重要となります。その「互いに信じ合えて

いる環境」さえないと、間違いなく職場は「欲求不満の嵐」でしょう。

~がない、~が足りない、~も与えられない、・・・・社員の目線は下がり

に下がり、関心事は自分の生活が80%。会社目線で物事を考えるなんて、

「考えられない!」状況となっているでしょう。そんな状況でいくら社長や

営業部長が社員の尻を叩いても・・・無理ですね。さらに混乱を招くだけ

です。マズローが言うように人間には低次元欲求と高次元欲求があると

するならば、マネージメントの立場にあられる方々は是非、この「欲求

の階層」を意識してみてください。自分の言うことを理解してもらいたいと

本気で考えているならば、まず相手の状況を「欲求の階層」に合わせて

推察してください。相手の状況に合わせた「目線」で話を始めてみる。

間違いなく首を立てに振りながら、理解のプロセスを登っていくと思いますよ。

「人は満足させるとつけあがる」と考えている方。そんなことはありません。

褒めて満足させてあげてください。そして高みに引っ張っていって上げ

てください。きっと感謝の面持ちで自律的な行動を始めてくれることと思います。

信じましょう・・・。



次回は

『マグレガーのX理論とY理論で会社の「価値観」を考える』

と題し、あなたの価値観が性善説か性悪説かで会社の文化はガラリと

変わる現実をご紹介したいと思います。

ご期待ください。


 


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