第一回『解る!人事制度の創り方講座』
2007年12月21日
お久しぶりです。しばらくお休みしておりましたが、もう今年も
残りあとわずかとなったところで、突然ですがブログを再開いたします。
『解る!人事制度の創り方講座』と題して始めます今回の人事制度
解説ブログは、何より皆さんにとってわかりやすく、実感値をもって
お読み頂けるよう事例を多用しながら進めていこうと考えています。
内容としては、『そもそも人事制度とはどのようなことを実現できる
制度なのか?』というところからはじまり、『上手く創るとこんなに身近で
日々活用し続ける制度はない!』というところまで、我々が行ってきた
コンサルティングの現場から生出しのノウハウを携えて、中小企業の
経営者様・人事責任者様にとって企業運営のお悩み解消の一助になれば
と祈念しております。
それでは、早速ですが参りましょう。
今回は、まず皆さんと人事制度に関するお悩みに関して目線合わせを
していきます。御社にも当てはまるお悩みがあるかどうか是非チェック
してみて下さい。中小企業の経営者、人事担当者からよくお聞きする
人事制度に関するお悩みの中で代表的なものとして今回は2つあげます。
【お悩み1.】
経営者が良かれと思って明確にして来なかった評価、給与分配の
基準が、社員からは会社不信のもととなり、企業運営に深刻な
影を落としているが、どうすればよいか解らない
【お悩み2.】
経営者が本気で大事にしている言葉と売上第一の社員評価の
基準が矛盾していて、社員の離職率に歯止めがかからない
●【お悩み1.】
経営者が良かれと思って明確にして来なかった評価、給与分配の
基準が、社員からは会社不信のもととなり、企業運営に深刻な
影を落としているが、どうすればよいか解らない
今まで敢えて人事評価制度を明確にしてこなかったA社を例にあげ
ましょう。これまでA社は、社長が社員一人一人の顔を思い浮かべ
ながら、会社に対する売上貢献や勤続年数、家庭環境等を勘案し
ながら、会社が出せる給与原資を最も現実に則した形で正しく配分
してきました。しかし、正直ここ数年の売上状況は右肩上がりではありません。
実際、稼げている営業社員は全体の3割で、7割の社員は会社運営
のための利益を創出していません。といっても7割の社員がサボって
いるかと言うとそうではないのです。
毎日ルーチンワークを夜遅くまで自主的に行っています。
社員からすると「こんなに働いているのだから給料が上がって当然だ
ろう」と考えるのも無理はありません。社長と社員がどこかでボタンを
掛け違えてしまったようです。社員の要望通り評価ルールを明確にし、
一定の基準のもとに給与が払われるようにすることは、実は会社に
とってはありがたいことですが、多くの社員にとっては、評価が下がり
給料を下げざるを得なくなってしまうことになるのです。
社長は、社員に会社の状況を理解し、やる気をなくすことなく、今まで
以上に頑張ってもらうためにどのような評価制度を創ればよいのかが
分からず迷っているようです。
●【お悩み2.】
経営者が本気で大事にしている言葉と、売上が第一である社員評価の
基準が矛盾していて、社員の離職率に歯止めがかからない
日頃から社長が『理念が大事』『理念を毎日唱和しろ』と口を
酸っぱくして言っているB社を例にとりましょう。
B社の理念は、「顧客第一主義を貫き、自己実現を達成する」です。
社長はお客様を大事にしろとうるさく言っているのですが、
お客様のために利益も顧みずにおこなった行動を評価する仕組み
が存在しません。営業の評価は売上の額1本です。間接部門は特に
目標もなく、部長以上の話し合いで決められています。社員は売上しか
評価の対象とならないので、社長が言い続けている「お客様を大事に」
という言葉を右から左に受け流しているだけです。それどころか、
社長の理念を偽善と受け取っているようです。
人事担当者は、社長が日々社員に向って話されている内容をそのまま
反映した人事制度を創っていかなければいけないのですが、どうすれば
よいのか分からないと嘆いています。
いかがでしたか?
次回も引き続き、目線合わせを行ってまいります。
宜しくお願いします。