長尾一哉の情熱熱風ブログ

第3話『組織構築に理念・ビジョンは重要なKFSとなるのか』

第3話『組織構築に理念・ビジョンは重要なKFSとなるのか』

2007年08月20日

 

今回は組織構築において「理念」「ビジョン」はどのような役割を果たすかについて

考えていきたいと思います。



まず、理念とは何でしょう?社会一般で「理念」という言葉はよく使われ

ていますが、その定義はあいまいで、なぜ経営に「理念」が必要なのか

わからないで「理念」を言語化している経営者は多いのだろうと思います。

大辞泉で調べると「ある物事についてのこうあるべきだという根本の考え」

と載っています。大辞林では「物事のあるべき状態についての基本的な

考え」です。当社では理念とは「その組織の基本的価値観」であり「意思

決定時に使用する基本的な判断基準」だと定義しています。



【ビジョンとは何か】

ビジョンもあやふやな言葉だと思います。事業部ビジョンや中長期ビジョン

などという言葉もあり、空間と時間の軸をどう捉えれば良いのかよくわから

ない概念だと思います。当社では「その組織が目指す具体的な将来目標」

と捉えています。



【組織を機動的に動かす時】

市場は変化する。競合も変化する。競合は別業界から参入してくるかもしれ

ません。SWOT分析等を綿密に繰り返さなければ対応を誤ってしまうかも知

れません。だから、組織は常に外部適応を図り、経営者は内部統合を図らね

ばなりません。将棋と同じですね。8手先を読んで布陣を考える。確かにその

布陣が正解かどうかはわからないのですが、組織を勝てる布陣に動かしたい

と思い、信じてその意思決定をした時、社員が経営者の意図を理解し行動を

起こしてくれなかったらいかがでしょう?



焦る、イラつく。社員のことを「この野郎!」と思い、「この会社のことを真剣に

考えているのは俺だけか・・・」と思うでしょう。そのような時、お金をちらつかせ

れば社員はまとめてザクッと動いてくれるでしょうか?そういう社員もいるで

しょう。しかし、お金では動かない人もいるはずです。「動くことの正義」みたい

なものを求める社員もいるでしょう。組織の中にさまざまな判断基準としての

価値観が彷徨したり、経営者が独善的に価値観を押し付けたりしている組織

においては、何が正しいかわからなくなってしまっていることがよくあります。

そういう混沌とした組織は機動的に動けません。機動的に動けるようになる

ためには、「意義付け」が必要になります。「意義付け」をし、そこに向かうこと

の「合意」が必要になります。経営者個人と社員一人ひとりが合意する場合も

あれば、組織の考え方と社員一人ひとりが合意する場合があります。前者は

個人事業で終わり。後者は組織として成長する。私はそう考えています。その

「組織の考え方」というのが「理念」であります。 混沌を抜け出し、複雑を整理し、

社員一人ひとりの立ち位置とその場所にいることの存在承認を一気に与えること

のできる「意志に満ち溢れた考え方」。それが「理念」です。だから、組織には「理念」

が必要であり、「ビジョン」が必要なのです。



「組織の考え方」に自ら共感し目指す

目標に向かって走る。そういう時、社員は爽快感・充実感を味わえるのだろうと思

います。スポーツで経験したことはありませんか?優れた「理念」にはリーダーシップ

を感じます。「理念」「ビジョン」は情動的であるべきです。心が身震いするような考え方や

目標でなければ、やはり人は困難に立ち向かえないと思います。


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