『ハーズバーグの動機付け・衛生理論で会社への「満足度」を考える』
2007年09月25日
『つまみ食い組織論』講座、今回は『ハーズバーグの動機付け・衛生理論で
会社への「満足度」を考える』と題し、お話しを進めて参りたいと思います。
ではまず、このハーツバーグが唱えた理論についてお話ししましょう。
アメリカのウェスタン・リザーブ大学の心理学者であるハーツバーグ・
フレデリックは約200人のエンジニアと会計士に対し「仕事上どんな
ことを不幸と感じ不満に思ったか」「どんなことを幸福と感じ満足に
思ったか」という質問をしました。その結果、不満に思う要因と満足感
を感じる要因を以下のように定義付けました。
一.不満となる要因
会社の政策と管理の方法
監督のあり方
作業条件
職場での人間関係
給与
二.満足を与える要因
承認
達成
仕事への責任
昇進
成長
ハーツバーグは一を衛生要因(ハイジーン)、
二を動機付け要因(モチベーター)と呼びました。
このなかで、人の欲求を満たしたり満足度を上げるためにはいくら衛生
要因を高めても無駄で、動機付け要因を充実させなければ人の欲求は満
たされないと唱えました。衛生要因は人にとって当たり前のことであり
満たされて当然と考えていることなのです。皆さんいかがでしょうか?
給与・作業条件はすぐ考え付くことだと思いますが、監督のあり方・
会社の政策・人間関係を当たり前のこととして思いつくでしょうか?
実は私がおこなっている研修プログラムで社員の皆さんから出される
会社の不満のトップは「人間関係」です。モチベーションを下げる最大
の理由です。ハーツバーグの言葉を借りるなら、社員にとってあって
当たり前の「人間関係の良さ」が失われていることは
「日々我慢の毎日を強要されている」ということになるでしょうか。
間違えて欲しくないのは「そんな他人依存の意識の低い奴は要らん。
自分でなんとかするもんだ」
なんて私は価値観を聞いているのではありません。まちがいなく上記の
ことに囚われモチベーションを下げていく社員はいるのです。パレート
の法則の通り8割はそうだと考えてください。重要なのは衛生要因が不満
とならないための「会社の仕組み」を考えれば良いのです。そうすれば、
不満の予防になります。決して価値観でねじ伏せようとしないでください。
社員から相反する価値観が返ってきます。問題の解決にはなりません。
無駄ですから「会社の仕組み」を考えましょう。
次回は、ハーズバーグの理論の中で動機付け要因により着目し、
マネジメントにおける活用の方法を皆さんと考えてみたいと思います。
ご期待ください。